TOP > 営み > 無料メールマガジン「組織マネジメント講座」 > Vol.4 能動的に協力し合いながら、ビジョン実現のために行動し、貢献していく組織(後編)

能動的に協力し合いながら、
ビジョン実現のために行動し、
貢献していく組織(後編)

前編のおさらい


前編では、

◇ 人が高いパフォーマンスを発揮するためにはビジョンは必須であり、組織経営において「ビジョン」はとても重要なものであること

◇ 組織の理想の状態の体験談

◇ 人も組織も、「ビジョン」について深く探求していない現状

などについて、ご紹介してきました。


後編は、具体的に会社組織でビジョンをどう取り扱っていくかをご紹介していきます。



ビジョンとマズローの欲求階層説

ビジョンとマズローの欲求階層説


マズローの欲求階層説というものがあります。

人の欲求は層をなしていて、 下位の欲求ほど重要で根源的だという考え方です。

上位の欲求は、 下位の欲求が満たされることで立ち現れてくる、 という考えです。

マズローの欲求階層説


仕事のビジョン、会社のビジョンと言うのは、一般的には

「こんな社会を実現したい」
「こんな社会実現に貢献する」
「こんな社会問題を解決する」

といったことを示すことになります。

この「どのように社会に貢献するか?」を考える欲求というのは、自己実現欲求のところに入ります。


でも「下位の欲求の方が根源的で優先的」なのです。

自我欲求:自分のやりたいようにできるかな?
所属欲求:人間関係がいいかな?
安全欲求:倒産しないかな?給料は満足できるかな?

これらを満たしていなければ、自己実現欲求は出てきません。

ビジョンが「お題目」「形だけ」になってしまう最大の理由はここにあります。


組織に属する個々人が、

Aさんは自己実現欲求レベルにあり、
Bさんは自我欲求レベルにあり、
CさんDさんは所属欲求レベルにあり、
EさんFさんは安全欲求レベルにある。


こういうことが組織の状態であるときに「自己実現欲求レベルの人に響くビジョン」だけを掲げていても、それ以外の人たちにとっては「形式上のお題目」としか感じられない、ということが起こるのです。


採用とビジョン型組織の関係


これを解決する一つの方法は、採用に注力することです。

「「当社のビジョンが自分のビジョンだという、自己実現欲求レベルの人材のみを採用する」

これを本当に実践していけば、理想的なビジョン型組織を構築していくことができるでしょう。(Teal組織の実現にも、この面はよく考える必要があると思います)


このためには「ビジョン型採用」を徹底する必要があります。ビジョン型採用を徹底するためには、当然のことながら自社に「社会に向けて発信するビジョンがある」ということが前提になります。


例えば、ベンチャー企業が「当社は、世界の水問題を解決するために存在します」というビジョンを掲げたとします。このビジョンに惹かれる、共感する人材が集まってくる、というのがビジョン型採用です。

「そうだ、私も水問題を解決したい!と思っているのだ!」という人材が集まってくるわけです。

もちろん彼らにも待遇面などは一定以上のものを提供する必要があります。

しかし、ビジョンに集まってくる人材は能動的に「どうしたら水問題を解決できるか?」を考え、調べ、学び続ける人材になります。彼らにはほとんど管理や育成が必要ありません。


ビジョン型採用ではなく、「待遇型採用」をするとどうなるでしょうか。

「当社は、社会保障完備、有給消化率も100%のホワイト企業です」

この待遇面、条件面を重視し、その点に惹かれてくる人材は、当然ながら会社に求めるもの、期待するものは「仕事の機会」ではなくて「待遇の良さ」になります。

そのような待遇型採用しておきながら「うちの人材は積極性が足りない」と嘆いても仕方ありません。



ビジョン型採用と待遇型採用の中間くらいに「ポジション型採用」があります。これは今の(中途)採用の中心的なものかもしれません。

「営業というポジションを採用します」「マーケティングというポジションを採用します」という採用方法です。

この場合「この職種の仕事をしたい」という欲求はあるため、例えば営業の仕事をしたい、営業のスキルを磨きたいといった能動的な面を持った人材を採用できるはずです。

(しかし実際には、待遇面重視の人材が多分に混ざりこんでくるので、その点を面接等の採用プロセスで見抜いていくことが重要になります)


実際には「待遇型採用をせざるを得ない」という場合も多々あるかと思います。その場合には「待遇型採用をしているのだ」ということを前提に、入社後の教育をしていく必要があります。


マズローの欲求階層説


この下位の欲求から満たしていくことが重要になります。


まずは、安全欲求:倒産しないかな?給料は満足できるかな?というところを満たしていきます。

しっかりと給料を払い、休暇を与える。事業計画を発信し、将来性に対しても安心してもらう。そのような努力をしていく必要があります。


次に、所属欲求:人間関係がいいかな?というところを満たしていきます。

実際「社内の人間関係」は多くの人材にとってストレスの種であり、モチベーション低下の原因にもなっています。「所属欲求人材」にとっては、これを満たすことが非常に重要なのです。

実際には、コミュニケーションスキルの研修を実施し、お互いの人間関係を円滑にすることを学んでもらったり、チームビルディングのワークショップなどを実施し、相互理解を深めてもらったり、管理職研修を実施し、職場の人間関係へも効果的な支援ができるような管理職になってもらう、といったことが重要になってきます。


その次に、自我欲求:自分のやりたいようにできるかな?が出てくるわけですが、このレベルの人材には権限委譲し、責任を持たせつつも裁量を与えるということを推し進めていく必要があります。(この権限移譲を、安全欲求レベルの人材に進めていっても、逆効果にしかならないのお気を付けください)


そうして人材の育成をしながら、徐々に組織全体のレベルを上げていく。

これが「待遇型採用」をせざるを得ない企業における、実際的な解決方法です。


ビジョン共有の重要性


とは言え、会社のビジョンはあるべきですし、その共有の努力もすべきです。「そのビジョン実現のために頑張ろう!」と社員を鼓舞できるかどうかは、とても重要なことです。

特に「待遇型採用」をせざるを得ない企業では「ビジョンを共有する」という努力を、経営陣がしていく必要があります。(理想的なビジョン型採用可能なビジョン型組織の場合は、その努力の必要性はかなり低下します)

「うちの会社は、●年までに●●という状態を実現します!」というビジョンを掲げた際に「各欲求レベルの人材」へ、そのビジョンの魅力や価値をかみ砕いて伝えていく努力が必要になります。


自我欲求人材に対しては

「・・・という状態が実現できれば、会社の財務もよくなり、よりやりたいことにチャレンジすることを、会社としても支援しやすくなる!」といったことを伝えることが効果的かもしれません。


安全欲求人材にに対しては

「・・・という事業計画を実現していくことで、当然雇用が維持されるし、給与水準も高めていくことができる!」といったことを伝えることが効果的かもしれません。


自己実現欲求人材に対しては

「・・・という状態を実現するということは、社会に対してこれだけの貢献をしているということになる」といったことを伝えることが効果的かもしれません。


ビジョンとして例えば「当社は、5年後までに年商50億円を達成する!」といったものが掲げられる場合がありますが、こういったビジョンが「社長や役員にとっては、魅力が分かる」けれど「社員からするとただのノルマにしか見えない」といったことがよく起こります。

それは、この「魅力をかみ砕いて伝える」努力を怠ってしまっているからです。


コミットメントの段階


ビジョンに対する態度としては

情熱的:そのビジョンはまさに自分のビジョンで何が何でも実現したい

積極的:そのビジョンは素晴らしいと思うのでできる限りの貢献をしたい

受身的:そのビジョンは悪くはないので、契約の範囲で仕事をする

批判的:そのビジョンには協力したくない

無関心:ビジョンがどうでもいい

というレベルがあります。


この中で「積極的」といったレベルの人材でいてもらうことは、組織のパフォーマンスを高める上でとても重要なことになります。そして「自我欲求人材が積極的」「所属欲求人材が積極的」という状態は作り出せます。

その状態を作り出すのが組織マネジメントであり、ビジョンを示し共有することの意味なのです。



今回の記事はいかがだったでしょうか。

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