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【連載漫画】おでこのメガネ

第7話「感情を消化する」


原案・原作・本文:石川英明 原作・作画:眞蔵修平

おでこのメガネ第7話



未完了の感情


未完了の感情というのは「残る」ものです。溜まっていく、と言ってもいいですね。


小さな子供たちと接していると、彼らは本当に喜怒哀楽がコロコロ変わります。ちょっと前に大泣きしていたと思ったら、今度は抜群の笑顔になっている、なんてことはしょっちゅうです。

小さな子供たちは、感情を未消化のままにして、溜め込んでいくということがほとんどありません。だからいつも、純粋な、今ここの100%の気持ちで過ごせているのです。


大人になるにつれて「感情を殺す」ようなことが増えていきます。しかし、本当に感情を完全に殺せるならいいのですが、殺したように見えた感情は、ただ奥に追いやられただけで、それこそどんどん「溜め込まれて」いっているのです。

「泣いちゃいけないよ」「羨ましがっちゃいけないよ」「ワガママを言っちゃいけないよ」・・・そうやって、大人になるにつれて、だんだんと感情をそのまま感じて表現することが制限されていきます。



終末医療に身をささげたエリザベスキューブラー・ロス医師。中公文庫に「死ぬ瞬間と死後の生」という本があります。ここに5つの自然な感情ということが触れられているのですが、

怒り、悲しみ、羨望、不安、そして愛。

この5つの自然な感情を、安全に表現できることの重要性が主張されています。


例えば「いいなぁ!僕もあんなおうちに住みたい!」と子供が言ったとします。それは純粋な憧れや、羨望から生じた気持ちであり、表現だったかもしれません。

しかし、それは例えばお父さんからすれば「あんな豪邸に住まわせられない自分はダメな父親」「稼ぎのない自分を子供まで責めるのか・・・」などと受け取ってしまうこともあるかもしれません。

その雰囲気を感じ取っただけで、子供は「もう次からは羨ましいと言わないようにしよう。。。感じちゃいけない気持ちなんだ。。。」と気持ちに蓋をするようになるかもしれません。

しかし、例えば「僕もあんなおうちに住みたい!」と憧れの気持ちが表現されたときに「そうか!じゃー、ああいう立派なおうちに住めるように頑張って仕事しような^^」といったように周りから返されれば、むしろ憧れの気持ちが原動力となって頑張っていけるかもしれません。



溜め込まれた未完了の感情は、どこか噴出先を探しています。


これは、日常の中でも普通に起こることで、

例えば「日中、嫌な上司のストレスに耐えて仕事を頑張った」というとき。すでに、自分の中では怒りエネルギーが溜め込まれています。

そんなときに、例えば家に帰ってからちょっと伴侶から、嫌なことを言われた。そうすると、日中に溜め込んでいたエネルギーも混ざって、大爆発、なんてことは普通に起こってしまうのです。

上司との関係で溜めた怒りが100。パートナーの些細な言葉で感じた怒りが1。そんなときに「ここぞ」とばかりに、パートナーに101の怒りが向けられてしまう。

そんなことはよくあるのです。そして、それでは、健全な人間関係を築くのは難しくなります。


とは言え、どんな感情も子供のようにその場で表現する、というのは現代社会ではあまりに実際的ではありません。

でも、できるだけ溜め込まないうちに、フレッシュなうちに「感じて」「表現する」というのは、精神の健康を保つうえでとても大切なことです。

なので、例えば先の例でいえば、家に帰ったら「ねぇ、ちょっと愚痴になっちゃうけど、聞いてよ。めっちゃ腹立ったの。今日、職場で。」と表現する、聞いてもらう。

そういうことがとても精神の健康を保つ上では効果的です。



一番理想的なのは、関係する当人にその感情を伝えることです。

でも、実際には難しい場合は、誰か同僚や友人、家族などに聞いてもらうことです。それも難しい場合は「気持ちを感じて、紙に書き出す」だけでも違います。



「こんな気持ち感じちゃいけないんだ」と思わないでください。


悔しい!と思ったら、悔しがりましょう。「ああ、自分は本当に悔しいんだなぁ」ということを大切にしましょう。そんな自分を受け容れて、大切にしてあげましょう。

ああ、悔しいなぁ。

心ゆくまでその悔しさを感じ切る。


例えば、失恋をして、親友の胸を借りて思い切り泣く。


そうして一つ一つの自分の感情を大切にすることで、心はいつも新鮮でフレッシュで、純粋でいられるのですね。







[2018/03/28 公開]



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原作・作画:眞蔵修平


兵庫県生まれ。元数学教師。教育問題漫画家。

眞蔵修平 公式HP
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自らの教師経験や、教育関係者との繋がりを武器に、教育現場の裏側をリアルに描く。現在は、漫画を描きながら、教育系企業数社に所属し、教育現場を変えるためのイベントや署名活動に参画。

代表作:『静寂の音』


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