Growth Mindset
(グロースマインドセット)とは

Growth Mindset(グロースマインドセット)とは、 スタンフォード大学の心理学教授、キャロル・S・ドゥエック氏が提唱する人の成長に関する理論です。

この理論をかいつまんで言うと、

  • 人の成長には Growth Mindset(グロースマインドセット)とFixed Mindset(フィクスドマインドセット)という2つのMindset(心持ち・態度・価値観)があるということ
  • 成長し、成功していくのはGrowth Mindsetの人であるということ

になります。
    

Growth Mindset と Fixed Mindset

Growth Mindsetを持つ人は、「人間の基本的資質は努力しだいで伸ばすことができる」と考え、うまくいかないときやつまずいたときでも粘り強く頑張り、挫折や失敗から学び続けることができます。また、自分を向上させることに関心が高く、失敗を恐れず難しいことにでもどんどん挑戦することができます。

Fixed Mindset を持つ人は、「自分の能力は石版に刻まれたように固定的で変わらない」と信じています。周囲から「才能がある」「有能だ」と思われるために、自分の能力を繰り返し証明して他人から評価されることばかりに心を奪われています。

また、無能な人間だと思われてしまうことを最も恐れているので、失敗のリスクが伴うような難しいことには挑戦したがりません。自分は有能だとうぬぼれる一方で、うまくいかなかったときの落ち込みはひどく、挫折に対する耐性が弱いのが特徴があります。
   

ビジネスで言うと、Fixed Mindsetの人材は「(最初はいいけれど)伸び悩む人材」「不良在庫のようになってしまう人材」であり、Growth Mindsetの人材は「伸びる人材」「挑戦し続ける人材」とも言うことができます。 

経営としては、できる限りGrowth Mindsetの人材を(見抜き)採用する。また、社内にいる人材をFixed Mindsetに陥らせない、ということが重要になってきます。
   

キャロル・S・ドゥエック,Growth Mindset,グロースマインドセット

   

それぞれのMindsetが強化されるアプローチ

この2つのMindsetは、以下のようなアプローチによってそれぞれ強化されます。

Growth Mindset 強化:挑戦が奨励される、(失敗からも)学習が促される、(結果によらず)プロセスが称賛される

Fixed Mindset 強化:成功が称賛される、失敗が咎められる
    

Fixed Mindsetの強化

ビジネスにおいて、 Fixed Mindset 強化の「成功が称賛されて」「失敗が咎められる」というのは、当然のことのようにも思われるかもしれません。

確かに仕事においては 、上司の求める仕事の品質に対して、 部下の仕事が60点の出来だったとき、「このレベルの仕事ではお客様に出せない」「100点の出来になってもらわないと困る」ということはあります。
   

ですが、そのとき部下に対して「何でこのレベルの仕事しかできないんだ」「60点の仕事では意味がないだろう」というフィードバックをしてしまうと、

部下は「100点の結果でしか判断されない」「以前は30点の出来だったのが60点になったが、その成長は評価されない」という価値観が形成され、Fixed Mindsetが強化されていきます。
   

また、期待する品質の仕事ができないので、上司の方が諦めて部下に「具体的に指示・命令する」ことを続けても、

「どうせできない」という考えが上司の側にも部下の側にもどんどんと強化されてしまい、人の能力は固定的でできないものはできない(だから努力しない)という Fixed Mindsetが強化されてしまうのです。

   

キャロル・S・ドゥエック,Fixed Mindset,例

   

Growth Mindsetの強化

会社全体としてGrowth Mindsetをんでいく上では【プロセス承認】ということが重要になってきます。

簡単に言ってしまうと、先ほど示したように「100点の出来の仕事であれば褒められる」「出来が悪いと冷たい仕打ちを受ける」「前回より改善されたところが増えたかなどは問題にされない」という接し方によって、その社員はFixed Mindsetが強くなっていきます。

逆に当該社員のGrowth Mindsetを高めるのは「前回からの伸びを評価される」「プロセスを承認される」「学習を促される 」といった接し方によって、ということになります。

これは上司が部下に接する際に「前回からの伸びを承認する」「部下なりに試行錯誤したプロセスを傾聴する」「どんな反省があるか?などを部下にコーチングする」といったことを、そのまま適用すればOKです。
    

とはいえ、あまりに【プロセス承認】を重要だとばかり主張しすぎると、「本当に結果にこだわらなくていいのか?」という疑念・不安が出てくる方も多いかと思います。

結論から言えば、結果にはこだわらないといけません。 Growth Mindset の人材を育てることは確かに組織の生産性を高めるために重要ですが、 「頑張ったし、進んだから、いいよねー」というようなことでは倒産してしまうというような面も無視してはいけないのです。

これについては別途社員の経営リテラシー・会計リテラシーを高めていくことも重要になります。(参考「社員の経営リテラシーを高める方法」)

    

参考

書籍

MINDSET マインドセット 「やればできる!」の研究
著:キャロル・S・ドゥエック、訳:今西康子  2016年 ⇒ 書籍リンク

    

TED

キャロル・ドウェック TEDxNorrkoping
必ずできる!― 未来を信じる 「脳の力」 ―

     

     

組織用語辞典