二要因理論
動機付け要因・衛生要因 とは

二要因理論(動機付け・衛生理論)とは、アメリカの心理学、経営学者のフレデリック・ハーズバーグが提唱した仕事における満足と不満足を引き起こす要因に関する理論です。
    

ハーツバーグの二要因理論(動機付け・衛生理論)

      

まずこの調査結果の基本的な結論は、「あると、モチベーションが向上する要因(動機付け要因」と「ないと、モチベーションが低下する要因(衛生要因)」はそれぞれ別に存在しているというところです。

これは、その後の類似調査によっても似たような調査結果が多数報告されていると思います。

そして、多くの人が今も「モチベーションにとって重要な要因である」と思い込んでいる”お金”というものが、それほど影響力が大きくなく、かつ衛生要因であることが明らかになっていることです。
    

つまり、給与というのは、低すぎれば確かに労働意欲を阻害しますが、給料が高ければ仕事への意欲が増すのかというと、そんなことはない、ということです。

給料が1.5倍に増えたら、意欲も1.5倍に増えて、仕事を1.5倍頑張るようになる。そんな風には、人間はなっていないのです。
   

ここから考えると「給料を決める際には、同業他社の給与水準や、同職種の市場における給与水準を参考とする」というのは、かなり合理的なものであると言えます。

給与は少なすぎれば不満につながり、労度意欲の低下につながってしまいます。「あーあ、うちの会社は給料が少ないな」と思っていて、転職サイトを見たら、ほぼ同じ仕事内容でもっと給料がいい会社があるぞ、となれば当然転職していってしまったりします。

しかし転職サイトを見ても「なんだ、だいたいうちと似たような給料だな」ということであれば「まぁ、今もらっている給料が、だいたい相場なのか」ということになってきます。
    

人材の引き留め、という意味では高給を出すということは意味があります。「他社に移ったら給料は2/3に減ってしまう」となれば、なかなか転職へのハードルは上がります。

しかし、重要なことは高給を出したからといって、人材の意欲や生み出す成果が向上するわけではない、ということです。

「高い給料払ってるんだから、頑張って欲しいよ」と経営者の方がぼやく場面にたくさん接してきました。お気持ちは、分かります。痛いほど。

私も、独立し、経営者として部下を雇い始めたころ、まさに「自腹を切る感覚で給料を払う」ということをしてきました。その時にはもう、本当に「きっちり働けよ!」と思ったものです。

しかし、残念ながら基本的には人間の心理構造、モチベーション構造としてはそうはなっていないのです。
    

実際に、例えば多額の賞与を支給されたとして、1か月後にも「先月、たくさんボーナスをもらったから、仕事頑張ろう!」と思う社員がいるかというと、ほぼいません。

私はこの質問を本当に多くの社員にしてきましたが、今まで「1か月前のボーナスもらった嬉しさで、今もバリバリやる気いっぱいです!」といった社員には一人もあったことがありません。
   

ハーズバーグの動機付け衛生要因理論では、動機付け要因としては「達成」「承認」「仕事そのもの」といったものが挙げられています。

仕事内容そのものにやりがいが感じられる、自分の仕事の成果を周囲にしっかりと承認されている(と感じられる)、仕事そのものの達成、また達成感を感じられること。こういったことが意欲向上には欠かせないのです。

     

参考

書籍

仕事と人間性―動機づけー衛生理論の新展開
著:フレデリック・ハーズバーグ、訳:北野 利信 1968年 ⇒ 書籍リンク