株式会社レミントン
代表取締役 坂田 純様
社長にとって居心地のいい会社に。
それは社員の関係性がよく、風通しがよく、自分たちで考えて、話し合って進めていける会社でした。
この10年間、ほぼ増収、黒字。
その支えには「土台となる組織づくり」がありました。
Contents
ご依頼いただいたきっかけ
2011年に、最初にお会いさせていただきました。
2011年でしたね、最初に石丸さんからお声がけいただいて「私に、今何かやれることはありませんか?」っていうバクっとしたところから(笑)
以前に社内のハンドブックを作っていただいたりしていて、そのご縁で。
私が社長になって間もないタイミングだったわけですが、商品開発とかそういうことじゃなくて、会社組織がどうとか、組織をきっちりして、人に依存せず、属人化せず、ちゃんと組織として機能していく。そういう会社にしたいんですよね、というタイミングでした。
何か決定的にダメなところがあったわけではありませんが、「今の会社で完璧だ」と思っていたわけでもありません。
社内を見渡してみると、チームワークが悪い、というようなところまではなく、少なくとも表面上はそうではなかったですが、いろいろな細かな行き違いとか、相互の不満とか、そういうものは散見されるわけです。
そのあたりをどうやって解決していくのか。
これまでは売れる商品を作って、売れる広告を作って、会社の売上を大きくすることをしてきましたし、その面には自信もありました。ですが、チームワークをよくするみたいなことになると、「ん?はて?」という感じでもあり、何か手がかりが欲しいなと思っているところでした。
漠然とですが「もう一段、二段上の組織を目指せるんじゃないか」という気持ちはありました。ただ、いろいろなリーダーシップの本とか、経営者の本とか、読んでもピンとくるものは少なかったんですね、正直。
参考になるけれど、自分に肌に合うかというと、どうも自分事にならない。本に書いてあることをやろうと思っても、なんか上手くいく気がしないな、というようなところもありました。
どのような取り組みから始まったか
何から始めましょうか、というご相談から始まりましたね。
漠然とした問題意識だったこともあって、最初にコーデュケーションさんと話して出てきたのは「ではまず社内アンケートをとって、組織の状態を見てみましょう」ということでした。
それはいいと思って、アンケートをやっていただいて、出してもらったレポートを見て、いろいろ考えましたね。
レポートでいくつかの観点が提示されてきました。「チームワークの向上」とか、「組織的な育成」とか。あと「個人のビジョン」とか。
いやぁ、あの「個人のビジョン」っていうのは、最初「?」がいっぱいでしたね(笑)そんなの今まで一度も考えたことがなかったですから。
チームワークや育成は、そりゃまぁ分かりましたけど、「え?個人のビジョンって?」って感じでした。会社のビジョンや方向性ということもアンケートにありましたけど、それも当時はピンときてなかったのが正直なところだと思います。
それでも、アンケート結果を活かして何かやっていこうという気持ちはあって、コーデュケーションさんにご相談しながら、本格的に組織づくりに取り組み始めました。
アンケート後、まずは当時の課長陣との場から始まりましたね。
そうですね。一緒にやってもらったほうが早いなと。一回で済むし(笑)
自分が一人で学んで、他の人に伝えていくというよりも、一緒に学びながらやっていくほうが効率的だなと思っていました。
それから、社員に対して「前向きになるセミナーをやってください」みたいなことをしても、そのセミナーをうけた社員の上司がちゃんとその認識を持っていないと意味がないとは考えていました。
何か研修やセミナーなどをやるのだとしたら、まずは上からやっていくことだと思っていましたし、それを日常業務の中で組織全体に染みわたらせていくのでなければ、それは本質的なものにならないと思って。
現場が折角いいことを学んでも、上司から「なに関係ないことやってんだ」と言われて止まってしまうみたいなことで、よく聞く話じゃないですか。それだと意味がないなと。
最初のタイミングで成功循環の説明を石川さんにしてもらったときに「この考え方は、いいな」と思ったのを覚えています。とても印象に残っています。
この成功循環モデルは、自分の考えている組織の成功像みたいなことにすごくイメージが近かったんです。そうやって組織がよくなっていく、会社が成功していくというのはとても納得感がありました。
手ごたえを感じたところは?
実際にやり始めてからの、手ごたえのようのなものはいかがでしたか?
コーデュケーションさんの支援は、手応えが分かりにくいんですよね(笑)パッと1回で、何かが明確に変わったというようなものではなく。
知人に紹介したときに「漢方薬みたいなものだから、分からなくても飲み続けてみな」と言ったこともありました。
一つ覚えているのは、幹部のみんなで5年後の未来に向けたシナリオを創っていって、それを石川さんがまとめた統合シナリオが出てきて。
このときにたぶん初めて「ビジョン」というものが、リアリティをもって腹落ちしたと思います。自分たちで創ったもの、自分たちで考えたものだったので。
「このビジョン、実現したいね」「このシナリオを成功させたいね」そういう気持ちが高まった一つのポイントだったと思います。
そうして、シナリオなんかを幹部みんなで創っていくプロセスのなかで、徐々に自分事になっていたったように思います。
分かりやすく比較すれば、以前は「社長が決めてください」「それは私たちが考えることですか」みたいなところがあったのが、会社の未来を一緒に考えていく、「自分はこう思う」というのが、しっかりと出てくるようになったなと思います。
管理職の方同士の相互理解が深まるプロセスでもありましたね。
そうですね。
例えば、部下の育て方一つとっても、面倒見がよいタイプ、背中を見せるタイプ、ほめて伸ばすタイプ・・・そういうのがそれぞれあって。でも、悪く言えばバラバラでもありました。
しかし管理職として「育てる」という役割を持っている以上、「こう育てるのがいいのじゃないか」「こうしたほうが伸びるのじゃないか」ということをダイアログしていって、そのなかで、レミントン流の人の育て方みたいなことが、共通認識が深まっていったと思います。
もともとは個人商店の集まりみたいな会社だったんです。でも、相互理解が深まって、コミュニケーションがスムースになって、ようやくチームという感じになりましたね。
やっていく中で見えてきた想いと
生まれてきた成果
一匹狼だらけだと、上は苦労するんですよね(笑)
全部困りごと、相談ごとが上に持ち込まれて、仲裁しないといけなかったりして。
そうそう、そういう個人商店の集まりみたいな会社がなんか嫌だったんですよね。殺伐とするんですよね、空気が。できる社員は強く、できない社員は立場が弱くなるとか。出している結果による上下関係というか。
自分が社員の時は、そういう職場でよかったんですけど(笑)、自分が社長になったら嫌だったんですよね。
経営者ご自身の居心地の良さや、逆に嫌だといった気持ちはとても大事なのだと思っています。
社長の立場で、人間関係の相談事を持ち込まれると、対応がとても悩ましくなりました。Aさんはどうだとか、Bさんのあれはどうかと思うとか、不満が持ち込まれて、その都度、会社全体のことを考えて調整しなくてはいけなくて。立場もあって、全く影響力が違うので、個人の考えで対応するというわけにもいかず。
それで、当時、会社に行きたくなかったんですよね。社長が、毎日行きたくない会社(苦笑)。
今思えば、「それを変えたかった」というのも一つの原動力だったと思います。
ワクワクカンパニー宣言や120%作戦など、いろいろとやってきましたね。
そういう意味では、嫌なもめごとみたいなものは本当になくなりましたね。
自社のことを持ち上げるのもなんですが、風通しのよさは、人間関係の「ちょうどよさ」は、いい感じになったんじゃないかと思います。
レミントン社の社員さんたちは、仲はいいけどべったりしすぎない、というような絶妙な感じがありますよね。
自分でもそう思います。そういう組織にしたいと思ってやってきたのもありますし。
それから社員が、一人一人主体的に、やりがいをもってやっている。それが実現したいビジョンだったわけですが、このビジョンはまずまず達成されたなぁと思いますね。
日常業務の中で、社長である私が判断しなければいけないようなことが、ほとんどないんです。組織が成長してきたから。現場での判断力が高まっているんです。
「レミントンならこうだよね」「うちだったらこうだよね」という判断軸を、管理職や中堅社員がちゃんと持っていて。
だから、自分たちで考えてやるし、必要があれば自分たちで話し合って進めていく、解決していく。そういう組織になってきましたね。
ターニングポイントのようなものはありましたか?
ターニングポイント。。。
いやぁ、組織づくりは本当に地道に、一つ一つ積み重ねてきた感覚です。
数年前に、ある商品が大ヒットして。それで全社としての売上の規模も大きく伸ばすことができました。あのときはとても大変だったんです。大混乱でした。予定表を全部差し替えるとか、取引先にも無理なお願いをしたりして、とても短納期の中で、すごいバタバタでしたけど。
そのとき、すごくチームワークがよかったなと覚えています。自発的にみんながどんどん動いて、必要なコミュニケーションは自分たちでどんどん取って進めて。
あのときの連携の、その礎に、それまでの日々の対話が結実しましたね 。
私は、とても心配性で、どんどん気になったところを潰してきた感じです。必要に迫られたことをやるんですけど、「必要に迫られる」の範囲はどんどん広がって、先々のリスクをかなり考えられるようになりました。
以前は「起きてから対処する」だったのが、先読みして芽を潰しておく、と。コーデュケーションさんと「シナリオプランニング」をホントにいっぱいやってきましたからね(笑)
「非緊急・重要」に時間を割くようにシフトしてきました。
以前は社長である私が緊急とか短期の解決をしてましたが、今は緊急でやるべきことは、社員がきっちりやってくれています。
だからここ数年は、非緊急の大事なところに時間をさけるようになりました。経営者が取り組むべきことに、取り組めるようになったなと。
この10年ほどで、評価制度の構築も、教育の内製化も、休暇制度などの改良も、組織づくりの面でもいろんなことをやってきました。組織力、現場力みたいなのは上がってきたのかなと。偉そうには言えないかもしれませんが。
例えば、現場からニーズが出てきて、人事がそれを吸い上げて、形にする。それってなかなかすごいことだと思うんですけど、それをホントに社員にやってもらえています。
前期、今期は売上拡大の壁にぶつかっていますが、中小企業ながら、2011年から数えてもほぼずっと増収で、黒字でやってこれました。今迎えている売上拡大の壁も、組織力や現場力で突破していきたいなと思っています。
Co-ducation社のアプローチの特徴
私たちのご支援の特徴は、どのように感じていらっしゃいますか。
・・・言葉にするのが難しいですね。
乱暴な言い方をすればですよ、教えてくれないじゃないですか。安くはないお金を払っているのに、教えてくれない(笑)
どちらかと言うと、やってくださるのは「場づくり」ですよね。
経営者によっては「コンサルなんだからもっとちゃんと教えろよ」って思う人もいると思うんですよね。
でもやっぱり、教えてくれるコンサルがいて、「こうやれ」「こうしろ」と指示をもらって、その通りにやる。上手くいったらいいけども、でも次どうするの?と。
この「次どうする?」を自分たちで考えられない。そのコンサルがいなくなったら、自分たちでなにもできないということになりますよね。
もちろん内容によってはそういうコンサルとのお付き合いもありだとは思っていますが。
けど、コーデュケーションさんは「教えてくれないコンサルタント」なので、自分たちで考えろとか、自分たちで描けって言ってくるわけですよね。
もちろん考える手順とか、考えるヒントとか、例えば「こういうフレームワークを使って検討してみましょう」などはもらえるんですけど。つまったときに、切り口とか、考える観点とか、事例とか、そういう情報はもらえますが。
でも、自分たちで考える。
あ、それって「学習する組織」じゃないですか!(笑)うちの会社、学習する組織になってきたんでしょうかねぇ。
話し合いの引き出しはとても増えました。OSTやろうよとか、KPTやろうとか、付箋紙に書き出してみようとか、シナリオ書いてみようよとか。そういう引き出しはたくさん教わってきていたかもしれないですね。
コーデュケーションさんが入ってから、ホワイトボードと付箋紙を使う量は半端なく増えました。それは大きく、分かりやすい変化ですね。
あと社員研修も、コーデュケーションさんにお願いしていたのを、今は自分たちで内製化してやれるようになりました。今、人事を中心に社内のメンバーがやってくれていますが、身内びいきかもしれませんけど、とてもいい研修をやってくれていると思います。
その内製化のところも支援してもらいましたね。「研修はどうやって設計して、どうやって準備して、どうやって講師をすればいいのか」といったノウハウを担当社員に伝えていただいて。
そういう「自分たちでやる」というのを支援してもらえるというのも、コーデュケーションさんの特徴の一つかなと思います。
どのような経営者の方に、私たちをお勧めされるでしょうか?
「やっといてくれるコンサル」を求めている経営者の方は合わないと思います。
ああ、成功循環は一つあると思います。成功循環に共感する経営者の方はあっていると思います。成功循環を、本当に回していきたい、というような経営者の方には、本質的な支援になるのじゃないでしょうか。
社員同士の関係性がよくなって、社員の主体性や思考力が高まって、社員の挑戦や行動があって、売上、利益が出てくる。それをまた社員に還元していく。
その好循環を、引き続き、私もしっかり回していきたいな思っています。
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