Vol.86 会社で本当に機能する効果的なビジョン(経営理念)をつくるために【動画でも解説!】

今回のご相談内容

ビジョンや経営理念を掲げる必要性をよく経営本や講演会などで耳にしますが、会社で本当に機能する効果的なビジョンが、いまいち腹に落ちていません。

会社として、チームとして、本当に効果的なビジョンはどうやってつくったらいいのでしょうか。

石川からのご回答

今回のメルマガは、動画でも解説しています!(以下の本文と内容は同じです)

通勤中に、休憩中に、ちょっと家事をしながら是非ライフスタイルにあわせてご活用ください♪コメントや感想もお待ちしております。

  

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そもそもビジョンは何のために掲げるのか

  • 会社として新しくビジョンを掲げていきたい。
  • 既にあるビジョンをしっかり浸透させていきたい。

というお悩みを持っている組織リーダーの方は多くいらっしゃいます。私も実際 ビジョンについてご相談を受けることは非常に多いです。

ミッションやビジョンの定義の違いなど細かいところには入り込まずに、今回は会社において、いかに効果的な本当に機能するビジョン(経営理念)を描くかという部分をお話していきたいと思います。
   

ビジョン(経営理念)はそもそも何のためにあるのかということから考えたとき、私は基本的には「インナーマーケティング」のためにあると考えています。つまり 社内向けのマーケティングということです。

もちろんビジョンを掲げて、社外のお客さまや取引先に対してアウターマーケティングやブランディングというように、我々はこういうビジョンを掲げている会社ですよと伝えていくという面もないわけではありません。

ですが、ビジョンを掲げましょうとか、ビジョンが浸透しているみたいなことを言ったときには、基本的には社内向けのインナーマーケティングであると言っていいかと思います。
    

効果的なビジョンがつくれている状態とは

それでは、社内マーケティングとして効果的なビジョンがつくれているというのは、どういう状態かというと

ビジョンが社員にとって意味があって浸透していて、ビジョンを考えたり聞いたりすると、それに向かって頑張っていこうと社員さんがなっている状態

これがつくれているかどうかが今掲げているビジョンが、いいビジョンかどうかの判断基準になってきます。

どれだけ綺麗な文言が並んでいても、例え、お客さまからあのビジョン素晴らしいですねと言われていたとしても、社員が

「あんなビジョンはお題目だよね」
「全然ピンときてないや」
「うちの会社のビジョンって何?覚えていないよ」

というような状態であればあまりそのビジョンは意味がありません。
    

効果的なビジョンをつくるために押さえるポイント2つ

では、「効果的ないいビジョン」をつくるためにはどのような点に気を付けたらいいのでしょうか。

ビジョンを構成する要素として、大切な要素は2つあると考えています。それは、ビジョンの 「強さ」 「大きさ」 です。
   

1.ビジョンの強さ

ビジョンの強さというのは社長や役員陣、経営陣が、そのビジョンを 「大切だ」 「実現したい」 という風に心の底から思っているかどうかです。

本当にそれを実現したい、それが大切だ、あのビジョンを実現したいと思っているのか。それともお題目にすぎずに、一応 そういう風に書いてあるけども、表のお題目にはなっているけど裏で本当に実現したいのは別なんだよねと思っているのか。

本当に心の底から実現したいと思っている強さというものが、実際にビジョンをつくっていく上では非常に重要だと考えています。
   

「すべてはお客さまの喜びのために」 というような抽象度の高い お客さまフォーカスのビジョンが掲げられている会社をよく見かけます。

これが間違っているとか駄目だということではなくて、本当に心の底からそう思っているのであれば問題ないのですが、すべてはお客さまのためにと言っているけども、

  • 本当は社長自身の収入を増やすことも大切だと思っている
  • 会社の規模を大きくすることにわくわくしている
  • 利益率をあげることが大切

と思っているのであれば、すべてはお客さまの喜びのためにというところからは正直な気持ちは少し外れたところにあるわけです。

極端な話をすれば 例えば利益率は低くて、お客さまにより低い価格で提供できたらお客さまにとっては喜ばれるかもしれません。利益率が高いというのは大切なことですけれども、お客さまのためにというよりは働いている側、社員や経営者自身の人生の満足度を高める上で大切だという観点が入ってきます。

なので、心の底から思えているかというビジョンの強さから考えるとこの場合は、「お客さまの喜びのために」はいいビジョンとは言えません。
   

インナーマーケティングとしてのビジョンというのはそれを社員が聞いたときに「そうだな、それを大切にしたいよな」「それを実現したいよな」 と思うものはすごく大事です。

今回の利益率を高めたいという例でいうなら、自分たちの平均年収を〇〇円まで上げようというのが我々のビジョンですというのは外に向かって見せる必要はありませんが社内向けのビジョンとして、ひとつの強力なビジョンになりえます。

“本当に実現したいよねと思っている”

ビジョンの強さというのが効果的なビジョンを作る上で外せない要素のひとつです。
    

2.ビジョンの大きさ

もうひとつの重要な要素は、ビジョンの大きさですが、そのビジョンを聞いた人、つまり社員さんがどれくらい共感できる人が多いかどうかです。

これは極端な話になりますが、ビジョンの強さを考えたときに、素直に強いビジョンを考えたら、社長が自分の年収をとにかく増やすことがしたい。例えば フェラーリに乗ってみたいというビジョンにはこれはすごくわくわくするし、実現したいと思っている。

それで、うちの会社のビジョンは社長がフェラーリに乗れるようになることですと言って、社員がどれくらいそれに対して共感したり、それを実現するために頑張ろうと思えるかというとこれはなかなか難しいところがあります。

要はこれは小さいビジョンと言えます。強いけれども小さいビジョンです。
    

会社として 組織全体として、そのビジョンに向かっていこうということを考えると、その関わるメンバーがみんな それを実現したいなと思える、ビジョンの大きさというのがある程度必要になってきます。

それだけだと小さいのであれば、あとは何があるかなと考えてみましょう。

よくよく考えてみたら ただ自分がお金持ちになって、フェラーリに乗れるというだけではなくて、社員さんにも同じように ちゃんと頑張った分は、稼いでもらって収入も増やしてほしい。そうしたら社員さんも海外旅行に行ける、乗りたい車に乗れる、社員にとっても幸せな会社だといいなという風になってくると、これはビジョンが大きくなってきます。

インナーマーケティング的に掲げるビジョンとしては、社長も社員も豊かさを実感できる会社にしていこうみたいなことになるかもしれません。強いビジョンを大きくしていくことで、みんなで追いかけていける効果的ないいビジョンになってきます。
   

知っておきたいレンガ積み職人の話

有名なレンガ積み職人の比喩の話があります。

レンガを積んでいる職人さんが3人いて1人ずつ 「何をしているんですか?」 と聞くと、

1人目のレンガ職人は、何とも面白くなさそうな疲れた様子で、「見れば分かるだろう…私は親方の命令でレンガを積んでいるんだ」と答えました。

2人目のレンガ職人は、1人目ほど疲れた様子ではありませんでしたが、淡々と「私はレンガを積んで塀を造っているんだ」と答えました。

3人目のレンガ職人は、イキイキとした表情で「私はレンガを積んで、この街の素晴らしい未来に必要な立派な教会を造っているんだ」と答えました。

このような話です。

会社におけるビジョンの意味とは、まさにこの比喩に表されていて、やっている仕事はレンガ積みで3人とも変わらないのですが、その意味合い、何のためにやっているのかの認識が職人によって大きく違います。

日々 仕事は大変なこともありますし、お客さまからクレームがくることもあるかもしれませんし、売上が下がることだってあるかもしれません。頑張ったけど成果が出ないような大変なケースだってもちろんあります。

仕事では、そこでもう1歩頑張っていこうみたいなことを、やっていくということは起こるわけですが、何のためにやっているのかということの心の支えになるのがビジョンです。

「そうだ、自分たちは社長も社員もみんなで豊かな人生を送れるように自分たちは頑張っているんだな。じゃあ やっぱり目の前の仕事逃げずに頑張ろう」

そういう風に思えるビジョンというのが効果のある本当にいいビジョンです。

    

  

今回のメルマガは以上となります。
いつも最後までご覧くださり、ありがとうございます。

   

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次回もお楽しみに♪

[Vo86. 2021/07/27配信号、執筆:石川英明]