Vol.65 Teal組織(ティール組織)へ変革していくためのステップとは

今回のご相談内容

Teal組織や、自己組織化、ホラクラシー経営など、キーワードに触れることはあるのですが、具体的にどうしたらよいものかがよく分かりません。「最初からそういう会社ならできるのか、、、」と思うところもあります。

自社がTeal組織に移行していくために、各ステップでやるべきことや重要な考え方についてより詳しく教えていただきたいです。

   

石川からのご回答

ご相談ありがとうございます。

様々な経営理論が次々と出てきますし、それを「自社で実践する」となると、具体的にどうしたらよいのか?と迷われることも多いかと思います。

様々な企業の変革をお手伝いしてきた経験上、「一気に変える」ということはなかなか難しいものがあります。急ぎすぎると、副作用のようなものが噴出してしまうということもあります。

まずは無理のないところから、徐々に取り組んでいくとよいかと思います。
   

前回の相談内容とも重なりますが、今回は組織がTeal組織へ移行していく際に各ステップで重要となる考え方を解説したいと思います。

※ Teal組織(ティール組織)とは

    

出典:写真AC

    

まずはOrange組織的なチームワークを発揮するところから

Teal的な状態になっていると「チームワーク」もよいというようになります。共有された目的に向かって、自然と協力し合うというような状態です。それ故に「では社内のチームワークを高めよう」として、例えばアメとムチを使って、チームワークを高めようということになったりします。

このアメとムチというのはTeal組織でいうOrange組織の特徴です。

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例えば評価制度に「チームワーク」ということを組み込みます。そうすると、Orange組織的なチームワークは発揮されることになります。つまり「他を助けないと、罰が待っているから助ける」とか「他を助けると、自分の評価が上がるから助ける」というような思考パタン、行動パタンです。

しかし、Teal組織におけるチームワークはそれとは違います。「(他者からの)評価が上がったり下がったりするから」他の人や、他の部署を助けるわけではありません。

自組織の目的を遂行するために、必要なことをはするし、必要なければしない。ただそれだけのことなのです。
   

Orange組織から一足飛びにTeal組織になることは難しい

ちなみにTeal組織の観念でいうと、Green組織は「仲間なんだから助け合おう」というニュアンスになります。これはまた、Teal組織におけるチームワークとはニュアンスが異なります。

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こう考えていくと「Teal組織にしていきたい」と考えたときに、例えば一つチームワークという要素をとっても「今の自組織が、どの色の組織なのか」ということは考える必要があります。

というのも、一足飛びにTeal組織になることは不可能とは言わないまでも、かなり難しいからです。

Orange組織が、Green組織を飛び越えて、いきなりTeal組織になる、ということはまずありません。もしOrange組織的な「アメとムチによるチームワークの誘導」が自社の現状だとしたら、まず考えるべきことは「自然な仲間意識による助け合い」の醸成だと言えます。
  

「自然な仲間意識による助け合い」を醸成するには、前回お話しした「感情の流通」も必要になってきます。特にチームワークにおいては「お互いの苦労を理解しあう」ということが効果的です。

「ああ、この部署ではそんな苦労があるのか」としみじみ実感される(実感されるということは感情が流通しているということになります)ということが、仲間意識を醸成していくことになります。

「ああ、他の部署がこうやって頑張ってくれてて、全体の仕事が成り立ってるんだな」ということが、理解され、心からそう思うと「一緒にやっている仲間に迷惑かけないようにしよう」とか「できるだけ仲間を助けよう」といった意識が自然と発生してきます。
   

Green組織まで進んだら・・・

出典:写真AC

   

「自然な仲間意識による助け合い」の文化が浸透してきたら、次はいよいよGreen組織からTeal組織へとなってきます。Teal組織的なチームワークは、私の理解では、Green組織的なチームワークとは異なっています。
   

ちょっと抽象的な表現になりますが、

Orange組織→「助け合うと評価されるから助け合う」

Green組織→「仲間だから助け合う」

Teal組織→「目的の遂行に必要なことをする」

という感じです。
   

Teal組織のメンバーにおいては「仲間だから助ける」ということはもはや当たり前というか、そんなに考えるべきことでもありません。というよりも「他者を助ける」という感覚は乏しくなってきます。

というのは「一人一人、自律した存在である」という認識が強いので、「助けるべき弱者」みたいな対象としてメンバーを認識することが少ないからです。 
    

とは言っても業務を遂行していると「特定の部署に過度に負担が偏っている」みたいなことが生じることはあります。

そういうときにTeal組織のメンバーは「あの部署のメンバーがかわいそうだから」助けよう、という風に考えるというよりは、「目的を達成するためには、この状態は健全ではない」という発想に基づいて、考え、動いていくことになります。

それが結果として「当該部署の応援にみんなで行く」になるかもしれませんが、「そもそも業務フローを見直す」「部署の役割分担を見直す」「人員配置数を見直す」など、そういうことをしようという発想が多くなるのがTeal組織の特徴と言えるでしょう。
   

このような思考パタンの組織にしていこうと思うと、そのためには「お互いの苦労話を共有する」とはまた違ったアクションが必要になります。

そのアクションは「我々の存在意義は何か?」ということを、頻繁に問う時間を持つということになります。

そのことによって「自組織の目的」ミッション、ビジョン、パーパス、レゾンデートル・・・といったことに”向かって”思考する、行動するという文化が醸成されていくわけです。

     

今回の回答は、以上となります。

いつも最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。

[Vol.65 2021/1/26配信号、執筆:石川英明]

   

    

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