部署内チームワークに関するよくあるお悩み

チームワークの良い会社

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「チームメンバー同士で協力し合わない」
「チームメンバー同士で喧嘩する、いがみ合う」
「チームメンバー同士の人間関係がギクシャクしている」
「共有すればいいのに、チーム内でちゃんと情報を共有していない」

などといったお悩みをよく聞くことがあります。
   

お互いに助け合ったほうが、業務効率もよくなりそうなものですが、なぜ折角同じ会社で働いているにも関わらず、すっと助け合いながら仕事をするということにならないのでしょうか?

部署間の連携やチームワークについても検討が必要ですが、ここでは部署内のチームワークについてよく考えてみたいと思います。( 部署間の連携について、詳しくはこちら

    

部署内チームワークについての考え方

部署内のチームワークはよくて当たり前?

同じ部署で、近い仕事をしている人たち同士であれば「部署が違う」ときのように仕事内容が分からない、仕事の苦労が分からない、ということは少なくなります。

しかし、だからといって同じ部署の中であればチームワークは常にいいのかというと、そんなことは全くありません。むしろ部署内の方が「仲が悪い」などということは普通に起こります。

部署内で仲が悪くなるのは、仕事内容を理解できないからではなく「その人が理解できない」から起こる、ということができます。

なぜ、そのような仕事の仕方をするのか?
なぜ、そんな順番で仕事をするのか?

距離が近いからこそよく見えるのですが、距離が近いからこそ間違いもよく見えてストレスも大きくなります。

   

部署内のチームワークは個性の理解から

結論から言うと「”Strength Finder”を活用して、その共有をする」というワークショップを実行することで、部署内のチームワークを高めることができます。他の方法もありますが、Co-ducationでご支援しているケースの8割以上でStrength Finderを使ってのチームワーク向上を実践しています。

「さあ才能に目覚めよう」という書籍を購入することでStrengthの診断テストを受けられます。この診断テストの質が非常に高く、国内でも海外でも一流企業でStrength Finderを実施している企業はたくさんあります。
   

実例: Strength の理解により社員のストレスが減ったケース

例えばStrengthの中に「戦略性」というものと「アレンジ」というものがあります。

前者は、段取りをしっかりと組んで想定通りに物事を進めていくようにしていく才能です。後者は、その場で出てきたことに応じて即興的に対応していく才能です。
   

ある例ですが、二人で一緒に仕事をすることが多かったAさんとBさん。

仕事上の役割分担としては、パワーポイントでの資料作りの経験も多いBさんが、打ち合わせ用の資料を準備する役割。Aさんが、打ち合わせ当日の進行を担当する役割、といった分担で仕事を進めることが多くありました。

しかし、これがAさんにとってもBさんにとってもなかなかストレスの多い状況でした。

Bさんから見ると、Aさんの打ち合わせの進め方は「相手の反応を無視して、こちらの当初想定に沿って無理に進めているもの」のように見えて、もっと上手に打ち合わせを進めたらいいのに、とストレスを感じていました。

逆にAさんからみると、Bさんの資料準備は「打ち合わせに対してあらゆる可能性を想定しておいて、しっかり段取り出来た資料になっていない」というストレスがありました。
   

こんな二人がワークショップに参加して、お互いのStrength診断をし、その結果を共有する機会がありました。

Aさんは、段取りをしっかりと組んで想定通りに物事を進めていくようにしていく「戦略性」というStrengthを持っていました。

Bさんは、その場で出てきたことに応じて即興的に対応していく「アレンジ」というStrengthを持っていました。

そして二人は「これは役割を入れ替えたほうがいい!」と思ったのです!
   

strength(ストレングス)の共有・相互理解

    

役割を変えてみると効果は劇的でした。

Aさんは持ち前の戦略性を発揮して、「打ち合わせがどのような方向に展開したとしても対応できるような、しっかりとした段取り・準備をした資料作成」をしていきました。

Bさんは、打ち合わせの進行役を務めるようになり、そのしっかりと準備された資料を活用しながらも、打ち合わせ中の参加者たちの創造的な意見を吸い上げながら、より活気ある、よりよい打ち合わせを進行していきました。

明らかに二人の仕事の生産性は上がりました。
   

このようにお互いの個性を知り、その個性を生かし合うような「適材適所」をできる限り推進していけると、チームの生産性が高まっていきます。

全ての業務でそういうわけにはいかないところもありますが、「得意なところに集中する」「不得手なところは、それを得意とする人に任せる」という適材適所、相乗効果を上げやすいチーム体制を組んでいけると、チームとして、部署として、組織としての生産性を高めやすくなっていきます。

   

それ以外にもチームワーク向上の施策を

「個性・才能の相互理解とその活用」は部署内(場合によっては部署間でも)でのチームワーク向上の基礎となるものです。これ以外にもチームワークを高めるようなものは数多くあります。

「成功循環(マサチューセッツ工科大学のダニエルキム教授)」という考え方では”関係の質”ということが重視されています。Googleが研究し発表した「生産性の高いチームの要因」は”心理的安全性”というものでした。

これらは、ちょっと無理をしてまとめて言ってしまえば「メンバー同士の信頼関係が重要である」ということです。

メンバー同士の信頼関係が深いほど、コミュニケーションはスムースになり、チームワークがよくなり、業務効率も成果も上げやすくなる、ということです。
   

会社組織の中で「メンバー同士の信頼関係を深める」ためには、意図的に「業務上のコミュニケーション以外のコミュニケーション」のための時間を取ることが大切になります。

業務上のコミュニケーションは”効率化”が求められますから、できる限り無駄を省いたコミュニケーションをすることになります。

「Aという仕事を、N日までにやってください」「N日にはできないので、N+1日でやりますが、それでよいですか」「ではそれでお願いします」

これが”効率的”なコミュニケーションということになります。無駄のそぎ落とされた会話です。
   

しかし、このようなコミュニケーションだけを取っていると「信頼関係」を育むことは難しくなります。

働いている人は人間ですから、機械のようにはいきません。「結構な厳しい納期を、頑張って仕上げたんだけどな。感謝の一つも欲しいよな」とか「ちょっと無理なお願いをしちゃってて、申し訳ないな。」などといった、感情面の動きも必ずといっていいほどあるものです。

しかし、忙しく、かつ効率化を求められた日常の業務時間の中では、なかなかこのよう「感情」「気持ち」といったところを丁寧に取り扱ったコミュニケーションをとることが難しくなります。
   

コミュニケーション

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Thanksの共有ワーク

Co-ducationでご支援してきた企業様の多くで「Thanksの共有」といったこと時間を取ってやっていただいてきています。

単純にこれをやるだけでも、メンバー同士の信頼関係が深まり、チームワークが良くなり、業務効率まで上がった、という例は多数あります。

業務上関係する社員たち20名ほどで集まって、Thanksを共有し合うのです。

「あの仕事、急で頼んじゃったのに、急いで対応してくれて本当に助かったんだよ。あらためて、ありがとう」

「こっちは社内の人とのコミュニケーションだけですけど、やっぱり営業でお客さんの前に出て矢面に立って、クレームを受けることもあって。ホントにありがたいと思ってます」
   
このようなコミュニケーションを取れる時間を確保します。

本当にこれだけで「ああ、本当は大変さを分かってくれていたんだ」「実は、そこの部分もちゃんと感謝してくれてたんだ」「自分の仕事が認められているのって嬉しいなぁ。やりがいがあるなぁ」という風になるのです。

他にも、良いところを褒め合うような時間を取ったりですとか、自分たちの1年間の歩みを振り返って「忙しいながらも進めてこられたところ」という前進を確認する、などの時間を取る場合もあります。

こういった時間を持つことによって、確実にチームワークはよくなっていきます。

   

チームワークの良さは目に見えないが…

チームワークの向上というのは、成果がなかなか目に見えにくいものがあります。それがゆえに、チームワーク向上への投資というものも、経営的に「投資対効果が得られているのか」が非常に測りにくいものでもあります。

例えば広告に投資をして「100万円の予算をかけて広告をしたら、その広告から1000万円の受注が得られた」というのは大変分かりやすい、投資対効果です。

しかし「チームワーク向上のために、業務時間を使ってThanksを伝え合う時間を確保しよう」という投資はどうでしょうか?

例えば時給換算したとして時給3000円の社員を、20人拘束して「Thanksを伝え合う時間を2時間持つ」というのは、12万円の投資ということになります。

これを月1回、1年間継続したら144万円の投資です。これは、144万円以上の「効果」につながっているのか?ということは大変測定が難しいものです。
    

効果が表れる面も多様な可能性があります。チームワークが上がることで、業務連携が良くなり業務効率が上がっているかもしれません。業務効率の向上が業務スピードのUpにつながり、それが顧客満足度の向上につながっているかもしれません。

それが、顧客のリピート率につながり、収益に寄与しているかもしれません。また、チームワークが良くなることで職場の居心地がよくなり、離職率が低下しているかもしれません。そうすることで採用コストや教育コストを抑えることができているかもしれません。

正直なところ、これは測定することが大変難しいものです。仮に「顧客のリピート率が向上した」というデータがあったとしても、因果関係として「それはチームワーク向上のための時間を取ったからだ」と特定することは非常に難しいのです。
    

投資対効果

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ですから、正直なところでここには一種の「賭け」や「信念」と言ったものが必要になってきます。「社員同士のチームワーク向上のために(時間やお金を)投資すれば、それは業務効率の向上や、コスト削減、売上向上につながるはずだ」という信念への賭けです。

このような信念をサポートするような経営学領域での研究はいくつもあるものの、それが「自社にとって本当に効果が出るものなのか」「実際に効果が出ているのか」を測定するということは非常に難しいものがあります。

しかし逆に「それは賭けるに値する信念だ」と思われるのであれば、実際にチームワークを高めていく方法はかなりの程度確立されていますから、それを採用し、実践していけばよいのです。

   

「公私混同」と「心理的安全性」

「公私混同」という言葉があります。これは、仕事とプライベートをごちゃまぜにしちゃいけないよ、といようなニュアンスのある言葉です。つまり、仕事とプライベートはきっちり分けなさい、という主張でもあります。

しかし、働いている人というのは「一人の人間」ですから、プライベートが大変であれば、仕事にもマイナスの影響が出ることは実際にはよくあることですし、逆に仕事が順調な時にそれがプライベートにも好影響がある、ということも普通に起こることです。

例えばですが、プライベートで大失恋をした、というような翌日に元気に集中して仕事に望める人の方が本当は少ないかもしれません(仕事時間があることによって気持ちを切り替えられる、というような面もあるかもしれませがん)。

このような時に「プライベートに仕事を持ち込むな!」と叱責されたとしても、気持ちが浮かないものは本人もどうしようもないところもあります。

こういったある意味では「一時的な出来事」であれば、その影響期間というのは限られているかもしれません。
    

しかし例えば「親が介護が必要になった」というような状況であればどうでしょうか?親の介護のために、ストレスもある、なかなか以前のようには睡眠時間も取りづらい、そのようなことがあったとして「プライベートのことを、仕事に持ち込むな」というのは、あまり合理的な主張とは言えないかもしれません。

一人の人間のことですから、どうしても、プライベートの状態というのは、仕事の状態へも全く影響しないというわけにはいかないのです。

   

Googleが研究し、その発信が話題となった「プロジェクト・アリストテレス」ですが、これは生産性を高める要因について社内で研究したものでした。

結論だけ言えば、生産性を高める最も重要な要因は「心理的安全性」であった、ということです。

この心理的安全性というのは「どんなことでも、職場の仲間に安心して開示できる、相談できる」というような意味合いです。

業務上の悩みや課題などについて開示し、相談できることは勿論ですが、”どうしても業務に関係してしまいそうなプライベートのこと”について開示し、相談したとしても、それによって自分自身が不利益を被ることがない、と思えているのが”心理的安全性が高い”状態です。

例えば、システム開発のプロジェクトを複数人のメンバーで進めているときに

「実は不安なことがあります。ちょうどこのプロジェクトが佳境に入って忙しくなるであろう頃に、家族の入院が決まっているのです。。。私事で大変申し訳ないのですが、一番みんなが忙しい時期に、全然残業をすることができない、場合によっては休みをもらわなきゃいけないかもしれない、そういう状況なんです。。。。」

といった話を、”安心して”プロジェクトメンバーに開示、相談できるかどうかということです。
    

リラックスしている女性

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このようなことは「公私混同」と言えば、公私混同です。特に日本社会では、公私混同は嫌われる傾向が強かったかと思います。(海外では、スポーツ選手が重要な試合中にも関わらず「妻の出産のために、試合に出ずに帰国する」というようなことは、日本と比較するとよく報道されます。)

しかし、何度も繰り返し申し上げるように、一人の人間に起こっていることです。家族の入院と、仕事とを、全く影響のないようにしなさいといってもこれはなかなかに難しいことです。

そうであれば逆転の発想で「普段から、プライベートのことも気軽に共有、相談できる職場」にしておくという手もあります。きちんと状況、情報が共有されるから、背景が分かるからこそ職場の仲間も対応しやすい。

「こないだ、うちの家族が病気で大変だった時は私の方こそみんなに助けられたのだし、今度あなたが大変なのであれば、もちろん喜んでサポートするよ」と言い合えるような状況を積極的に作っていくわけです。

むやみやたらと、なんでもかんでもプライバシーを開示せよ、とする必要はありません。それはそれで窮屈というか、居心地の悪い職場になってしまうリスクもあります。

けれども、ある程度のことは、プライベートのこと、家族の状況などについて開示し、共有し、相談できるような環境を作っていく、ということも「チームワーク向上(心理的安全性向上)」のためには考える価値のあることかと思います。

    

さらに踏み込んだチームビルディング

この後ご紹介するものは、「これが善い」「これをお勧めする」というものではありません。会社によっては「ここまで踏み込んで共有している会社もある」という選択肢として知っておいていただければと思います。

会社によっては「個人のキャリアビジョン」を”おおっぴらに”共有している会社もあります。

「私はあと3年この会社で修業したら、独立するのが夢です」「私はあと5年この会社で経験を積んだら、海外の会社に転職するチャレンジをするつもりです」このようなことまで共有しているのです。
    

これは「個人は、会社の持ち物ではない。職業選択の自由は尊重されるべきものだ」といった価値観・思想によってそうしている面もありますが、経営上のメリットもあって行われてもいます。

一つには、経営側、上司の側が「社員の離職について、計画的に対応の準備することができる」ということです。あらかじめ部下が「3年後にやめる確率が100%だ」と分かっていれば、その際に採用活動を進めることもできますし、業務の引継ぎもスムースに進めることができます。これは会社の側にとってもメリットだと言えます。

もう一つには「社員のモチベーションを高める効果・メリットがある」ということです。社員の側からすれば、自分個人の夢を公言して、かつそれを会社も公認で応援してくれる、となればそれは恩義も感じますし、頑張ろうとも思いやすくなります。

上司の方も、モチベーションマネジメント上「お前の夢が次の会社で●●することならば、今この目の前の業務は絶対に頑張っておいた方がいい経験になるぞ!」というような、モチベーションを高める助言などもしやすくなります。

このような理由から、社員の「将来・社外の夢・目標」まで共有しながらチームビルディングを進めている会社もあります。
   

更に踏み込んで相互理解、共有を進めている会社もあります。例えば、将来のビジョンだけでなく、これまでの、過去の経験や、その経験から育まれた価値観などについても語り合い、共有する時間を取る、といったようなケースです。

ここまでくると「相互理解」という意味では、かなり深い相互理解ができるようになってきます。「多様性を尊重する」「人の背景を尊重する」と言った人材育成を促進できるというような面もあります。
    

ただ、正直なところこれについて賛否が分かれるところです。

Co-ducationとしてご支援した会社の中でも、過去の歴史の共有をした際に「共有して本当に良かった。本当に信頼関係が深まった」というケースもありましたが、一部社員から「なぜこんなプライバシーに関わることを会社で話さなければならないのか。苦痛であった」というような苦情が上がってきたケースも正直あります。

ですのこれは、繰り返しますが「必ずやると(経営上)よい」というようなものではなく、「そういった会社・組織にしたい」という強い信念がある場合にやっていくような内容のことかと思います。
   

メリットとデメリット

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施策を進める上で重要になるポイント

チームワーク向上による効果が薄い職種(業種)

上述したように、Strengthの相互理解は実施することを強くお勧めします。他には、Thanksの共有などの時間を取ることも、確実に効果があることのアクションの一つです。

チームワーク向上のための施策に時間を取ることはあまりリスクがありません。これまでほとんどの企業における実践にて、成果が出てきました。コミュニケーションが円滑になり、チームワークがよくなり、チームとしての生産性が高まるのです。
   

但し「全く、協力し合うような場面がそもそもない職種(業種)」のような場合は、効果が薄い場合は存在します。

全く効果がなかったわけではありませんが、ITエンジニア派遣のA社でチームワーク向上の施策をやった際には、かなり難しさがあったのは事実です。

普段全く別の会社の、別のプロジェクトで仕事をしている「同僚」のため、むしろ顧客先企業の人たちの方が「一緒に仕事をしている仲間」だったりするのです。

そうなると「A社としての一体感」など必要なのか?ということを疑問に思っている社員も多かったのです。(それでも、A社では、A社主催の質の高い社内勉強会を開催することで帰属意識を高め、お互いの情報共有も増え、離職率が低下したということはありました)

このよう業種や職種の場合には、無理にチームワーク向上の施策を進めようとしても効果が上がりづらいことはありますので、自社の構造や状況をよく見ながらアクションをしていくことは大切になるでしょう。

   

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