幹部や管理職の意識・スキル
に関するよくあるお悩み

幹部や管理職の意識・スキル

出典:写真AC

    

社長一人で孤軍奮闘、、、これではなかなかよい会社でいることは難しいところがあります。

実際にCo-ducationでは「幹部を育成したい」というご相談をいただくことが多数あります。「社長一人で頑張ってきたが、幹部にもっと任せられるようにしていきたい」といった声をよくお聞きします。

「ビジョンを共有しきれていない感じがする」
「”一緒に創る”感じでやって欲しいが、”言われたことをやる”から抜け出せていない」
「社長のビジョンや想いを役員や管理職たちが、社員たちに伝えきれていない」

このようなお悩みをよく聞かせていただくことがあります。
    

幹部・管理職育成の考え方

社長の代弁者になれるか

例えば、社長が1人、部長が3人。部長の下にそれぞれ社員が10人ずつ。全部で34人の会社があったとします。

このとき、この「部長3人」の存在は、やはり非常に重要なものとなります。社長と部長の4人が、同じビジョンに向いていて、同じ価値観・行動指針を共有していれば、組織のまとまりは非常によくなるでしょう。勿論、個々人の個性というものはありますが、大きな判断基準が共有されていれば、やはり組織のまとまりよくなります。

反対に、ある社員がもし同じ質問を、社長にも、A部長にも、B部長にもして、全て違う答えが返ってくるようなら、混乱してしまうのは間違いありません。

「会社はどこに向おうとしているのか」「自分たちが大切にしている判断基準、価値観はどんなものか」といったことに関しては、幹部は一貫したものを持っていることが望ましいでしょう。
   

例えば社長が「社員の生活も豊かにしたい。そのためにも、もっと利益を増やしたい」と思って事業計画を立てていたとします。

その状態で、ある社員が部長に「なんで今期もこんなに厳しい目標数字なのでしょうか。。。」と質問してきたときに「仕事なんだから、文句を言わずにやれ!」というのと、「社長は、私たちの生活のことも考えてくれているんだ。長期的にしっかりと賃金も増やしていけるように、そのためにも頑張っているんだよ」と答えるのとでは、社員の士気に違いが出てくるのは明白です。

幹部がこのような「社長の代弁者」になっていけば、組織はより強いものになっていきます。
   

幹部に必須の”経営感覚”

事業戦略・マーケティングの打ち合わせ

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企業経営では、お金・売上・コスト・利益といったことを無視することはできません。幹部社員は、日々投資判断をし、その投資から回収できるのか、という感覚を持っている必要があります。

これまでご支援してきた企業の多くでは、会計情報をかなりの範囲で幹部社員と共有していました。その上で、一緒に事業計画を作るということを行っています。

先行投資(仕入費、広告費など)、売上、人件費、役員報酬・・・こういった基本構造を理解し、情報を共有し、「どの数値を高めていこうとするか」。これを一緒に検討することほど、経営リテラシーを高めてくれるものはありません。
    

ある企業では、半年ほど「事業計画作成ワークショップ」を行いましたが、担当部長のプロ意識は目違えるほど進化しました。

ちなみに幹部だけでなく、一般社員でもこの「経営リテラシー」を高めていくことはできますし、なかなか重要なものです。ある程度バーチャルにでも、事業計画書を作成してみたり、報酬制度を作成してみたりすることで、短期間で大幅に経営リテラシーを高めることもできます。
    

幹部に必要な事業マネジメント力と組織マネジメント力

事業マネジメント力は、(担当部署にもよりますが)簡単に言えば売上を創っていく力です。市場環境を把握し、顧客のニーズをしっかりと分析し、適切な付加価値を提供していく。そういった力は、幹部にはもちろん必要です。

もう一つ必要なのは、組織マネジメント力です。部下の能力を引き出し、会社の成果につなげていく力です。

事業マネジメント力が非常に高かったとしても、組織マネジメント力が不足していると、会社としての成長などが大幅に鈍化してしまうことにもなります。凄くいいマーケットを見つけた、そこで勝負したらとても儲かるのは間違いない。でも、社内では離職者が続出で、担当する人間がいない・・・それで商機を逃す、といったことはありえる話です。

部下の成長を支援する、部下の適性を伸ばす活かす、部下のモチベーションを高める・・・こういった組織マネジメント力の要素も、幹部社員には必要なものになります。
     

施策を進める上で
重要となるポイント

リーダーに求められる基本要素

Co-ducationでは、幹部社員に必要な要素として「リーダーに求められる5つの基本要素」を提唱しています。
    

リーダーに求められる5つの基本要素

    

自己認知力

現状や他者からのフィードバックを受け止め自己成長につなげられる力、自分自身でセルフモチベートできる力。自分自身の得意不得意や情熱をよく知り、 自身を含めた適材適所を常に考えている。

環境把握力

市場環境にアンテナをはり、ニーズなどを分析する力。独自の人脈や情報源を活用し、社会構造や業界構造などの変化を捉え、打つべき先手について知見を持っている。

ビジョン力

メンバーを喚起させることができ、本人も本気で望んでいるビジョンを描ける力。周囲の顕在意識が共感するだけでなく、潜在的な理想をビジョンとして提示できる。

巻き込み力

ビジョン実現に向けてメンバーのやる気を引き出す力。メンバーそれぞれの目標や個性を理解し、
メンバーの自己実現と、組織の目標達成を掛け合わせることができる。

推進力

短期長期の見通し力を持って効果的に前に進めていく力。総花的にならず、適切な優先順位の判断ができ、PDCAを回しながら、ゴール達成まで粘り強く推進し続けられる。
     

の5つです。これらの力を高めるように、管理職研修を提供しています。

また社長を含めたトップマネジメントとの対話の場を持つことで、「幹部が社長の代弁者になれる」状態をつくる、ということもよく行います。
    

支援事例

管理職育成により
離職率を下げた企業の例

ご相談内容

「社員が成長しない」どころか、「せっかく採用した社員が辞めてしまう」といった課題を抱えている。

更に厳しく言うなら、「甘い社員ばかりで、成長意欲がない」ので、「成長意欲のある人材を採用したい」と思っているが、なかなか上手くいかない。

ご支援内容

現場や人材紹介業の担当者などによくよくヒアリングしていくと、決して成長意欲がないわけでもなく、優秀さが足りないわけでもない人材が離職してしまっていることが見えてきました。

というのも、離職後に、同業他社でしっかり活躍している人材も多かったのです。

さらによく調べていくと、入社した社員のほとんどが「不安ゾーン」に置かれていることが分かってきました。天才創業者たちのもとで、順調に事業が拡大してきた企業だったのですが、社員たちはその「天才」たちとの比較の中で、常に不安ゾーンに置かれているような状況だったのです。

しかも、経営陣たちからすれば「ミスに対するごく当たり前の指摘」が、社員たちからすると「鋭すぎる、厳しすぎる叱責」となっていたのでした。
         

このことをフロー体験理論も踏まえて、問題として捉えた経営陣は「部下たちをフロー状態に置き、能力を最大限引き出し、生かす」ということを経営の最重要課題として1年間取り組みました。その中では、管理職がコーチングスキルを学び磨いたりということもありました。

結果として離職率は50%程度だったものが10%程度に大幅に下がり、社員定着率が高まったことで、事業もより拡大できるという好循環の軌道に乗せることができました。