「それは儲かるの?」だけの単一指標の企業からは意味が消失していく

「それは儲かるの?儲からないの?」という単一指標

昨日、株式eumoさんがやっている「共感資本ギフトラボ」の対話の場に参加させていただいて、感じて考えたことです。大企業の方やコンサルタントの方などの対話の場でした。大企業の方の本音を少し伺えた気がしていて、この記事を書いてみました。

印象に残っているキーワードは「居心地がいい」「変わりたくない」といったことです。
  

「それは儲かるの?儲からないの?」という単一指標で考えるのは、確かに楽です。「それは企業理念にかなっているか?かつ、儲かるか?」という二つで考えるのは、大変です。

しかも「儲かる」ということの正義は、だいぶ理論武装されていて、すなわち「利益がなければ給与原資もない」「利益を出して納税することで、国に貢献できる」などなど。

「利益を増やす」ということに、思考パタンも、組織体制も最適化してきている状態がある。それがまず現状認識で大切なことなんだと思いました。
    

口癖が変わっていくことの重要性

まず個人的に思ったことは「口癖が変わっていくこと」が大事なんだろうなと思ったということです。「それは儲かるの?」ではなく、「それは、うちの理念の●●を達成できるの?」という口癖に社内が変わっていくということです。
 
松下幸之助が「世の中のためになりまっか?」「楽しいでっか?」「儲かりまっか?」と3つ聞いたという話がありますが、まさにそういうことだろうと思います。

「それは儲かるの?」だけの単一指標の組織からは、物語が消失されていくのだと思います。物語の消失は、意味の消失です。

まさに、流布しているレンガ積み職人の比喩のように「来る日も来る日もただレンガを積んでいる」となってしまう。「儲け」のために。
   

組織の中の物語性を回復していかないといけないのだろうなと思います。レンガ積み職人が「素晴らしい教会を建てているんです!」と言えるような。そしてそのためには、一人一人が「語る」ことのできる、対話の場が必要なのだと思います。

説明するとか、報告するとか、プレゼンするとかではなく「語る」。自分の内側の物語、想いを語り、相手の物語、想いに触れるような対話の場が、組織に意味をもたらしていくのだと、あらためて思いました。
    

「語る」ことは「儲かる」のか?

素直に言うと、それは別に儲からないと思います。レンガ積み職人が、積んでいる1日の作業量は、ぶっちゃけそんなに変わらないのかもしれないと思います。

”創造性”みたいなのは高まるでしょうけれど、それが直接短期的に利益に結びつくかは全く分かりません。(利益に結び付く創造性だけを抽出したい、と思ったら、創造性は解放されないでしょう)

様々な「利益貢献へのロジック」を用意することもできなくはないと思います。例えば「最近の若い世代は、社会貢献欲求が高い。だから採用に有利に働く」とか、「社員のやりがいが高まることで離職率が低下する。だから、採用コストや教育コストを下げられる」とか。

   

でも多分本音のところは「儲けるために語るんじゃない。手段じゃない。」というところだったりするんではないかなと思います。人間が機能化している手段化しているのを、人間を人間にしていく、そういうヒューマンセンタードへのパラダイムシフトをしたいみたいなところがあるんじゃないかと思います。

そして、嘘も方便、みたいな次元はそれはそれで大切だと思います。
   

高度な分業化も、物語性を低下させていきます。サプライチェーンが分業化されているので、最終的な顧客接点がある人のみが僅かながらに物語を感じられる、というようなことは普通に起こっていると思います。

農家が作ってくれて、ドライバーが運んでくれて、コックが調理してくれて、ウェイターが運んでくれて、食べる夕飯。その笑顔。その意味を、実感できるのはウェイターだけ、というようなことですね。

だから組織の中の物語を回復させていくのは、分業された個々の「機能」を「一つの物語」として再編集して語られる場面が必要になると思います。このことも大切なことだと思います。(チャップリンの時代から言われていることではありますが。。。)
   

どちらかというと、経営層には「そもそも本当に無限成長し続けられると思っていますか?」「それで本当に社会がよくなると思っていますか?」「会社、の社会における存在意義はあらためてなんですか?」という問いについて考えてもらうのが、大事かもしれません。

コロナ・パンデミックがあって、そのこと自体を改めて自分自身に問い直している経営者の方も多いように想像します。

どちらかというと、経営者のみの安全安心な場で、本音のところを吐露する、共有できる、といったことができれば、素晴らしいのだろうなと思います。

「私たちは、株式市場からの従来通りの期待と、共感資本社会へシフトする社会情勢の中で、どうあるべきだろうか?」といったことを、経営者同士で、考えたい、対話したい、というような潜在ニーズは強いかもしれません。
    

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