Vol.42 社員にもっと会社の数字に貪欲になってほしい

今回のご相談内容

社員の数字に対する意識が弱く、困っております。

会社全体が数字に対して敏感になることで、将来的な成長も見込めますし、課題に対しても経営的な観点などを踏まえて、より深い議論ができるように思います。

社員に、数字に対してもっと貪欲に動いてほしいです。

        

石川からのご回答

今回いただいたお悩みも、これまで経営者の方からご相談を受けてきた中で、よくお伺いするお悩みです。

企業活動において、「数字」「お金」という観点は切り離すことができません。社員が会社の数字に興味を持っていて、その意識がある上で仕事をしているかは、その社員のパフォーマンスに大きく影響します。

ここでポイントなのは、社員が自社の数字に対する意識が高い状態というのは、単に「会社の売上や利益の数字を知識として把握している」ことではなく、会社の数字に対して「敏感であり」「貪欲である」ということです。

「数字に敏感になること」「数字に貪欲になること」は関連し合っていますので、まとめて考えてみたいと思います。
   

ちなみに、社員が会社の数字(最低限の経営・会計知識)の知識や理解を深めることも、それはそれで重要です。知識がないが故に視野が狭く、職場の不満や愚痴につながっている場合もあります。

そちらのケースについては、詳しくは下記の記事などをご覧ください。

     

社員がその数字が自分に関係があると思っているか

まず、売上や利益、経費、客数や客単価などの数値に社員が敏感になるには、「その数字が、自分に関係がある」と一人一人が思っている必要があります。逆に言えば、「その数字がどうなろうと、自分には(あまり)関係がない」と思っているのであれば、その数字に敏感でいることは難しいでしょう。

ダイエットしよう!と心に決めた人は、自分の体重という数字に敏感になるでしょう。そして、毎日のように体重計にのってチェックをするでしょう。それは本人が「ダイエットしよう!」と思ったからです。

ダイエットしなさいと誰かに言われても、例えばお医者さんに言われたとしても「うーん、まぁねぇ。。。」くらいに思っていたら、毎日体重計に乗る、というようなことはしないものです。つまり、数字に敏感ではないという状態でいることになります。
   

数字に貪欲になる、ということも重なっています。

自分自身が「ダイエットしよう!」と決めて、例えば「3kg減らそう!」と決めたとしたら、「あ、0.5kg減った。よし、もう1kg減らすぞ」などと”貪欲”に思うものです。

しかし、例えばもし友人から「3kg減らすことにコミットしなよ」などと言われようものなら「ほっといてくれよ」ということになるでしょう。

要は、本人がやる気になっているかどうかです。
   

社員が数字に弱い

出典:写真AC

   

 社員が数字の変化を実感できるスピードか

もう一つは「実感できるスピード」というものも大切になります。

今日1日、ものすごく頑張って運動した!
今日1日、ものすごく頑張って食べるのを控えた!

というときに、その日の体重計に乗るのは楽しみだったりします。そして、多少なりとも昨日までよりも体重が減っていたら「頑張ったら報われるんだ!」という実感を得ることができます。

しかしこれが、運動を増やして、食事を制限して・・・となかなかにつらい日々を3か月続けても「体重」という数字に表れてこないのであれば「やっても意味ないのかな・・・」と不安になってきたりして、ダイエットそのものをやめてしまおう、という気にもなってきます。

1日単位、長くても1週間単位程度で「進んだ」と数字的に実感できるものであるか、ということは重要です。

「頑張れば、1年後に芽が出る」というようなものである場合には、なにか先行指標を用意して「この数字が変わっているということは、本来のゴールの数字もあとでよくなるはずだ」と思えるようにすることが重要です。

集中力ややる気が持続する仕掛けもまた大切なわけです。

    

現実的な打ち手は?

社員は「会社の売上を伸ばしたい」とは、正直あまり思っていなかったりします。会社の売上、利益を伸ばすことが求められていることは理解していますが「あんまり関係ない」と思っている人も多いものです。

それよりは、社員の気になる数字は「給与」です。そしてその先行指標となる「人事評価」「人事考課」という数字は気になるでしょう。もし「(売上アップを)頑張っても、頑張らなくても給料は変わらない」というような気持があったとしたら、売上という数字に敏感でいることは大変難しいでしょう。

ですから、成果主義的な報酬制度を導入し「数字に敏感する」ということが一つの打ち手ということになります。
   

成果主義的な報酬制度を導入せずに「数字に敏感にする」ということはできるのでしょうか?

「愛社精神」「帰属意識」を育てることも、打ち手の一つだと言えるでしょう。

愛社精神があるということは、自社を維持・発展させていきたいという気持ちを、社員が内発的に持っているということです。だとすれば「維持・発展させるために必要な利益・売上」といった数字への敏感さを、自然と持つことになるでしょう。

愛社精神を育むにはどうしたらいいでしょうか?

最近では「エンゲージメント」という言葉もよく用いられますが、愛社精神とエンゲージメントは同じことなのでしょうか?これについてはまた次回以降、「愛社精神や帰属意識を高めるには?」というテーマで詳しくお伝えしていきたいと思います。

  

今回のご質問に対する回答は以上となります。

いつも最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

    

[Vol.42 2020/07/14配信号、執筆:石川英明]

   

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