外的動機付け(Extrinsic motivators)と
内的動機付け(Intrinsic motivators)とは

外的動機付けと内的動機付けとは、主に心理学領域で使用される言葉です。報酬や賞罰などの外的な動機によるものを外的動機付け、本人の内面に沸き起こった興味や関心など内的な動機によるものを内的動機付けと呼んでいます。

この言葉は、アメリカのダニエル・ピンクが働く人間に関する社会研究の成果の中で使用し、注目されるようになりました。本稿ではダニエル・ピンクの研究結果を解説します。
    

ダニエル・ピンクは書籍『モチベーション3.0』で、働く人間にとって示唆深い社会研究の成果をまとめています。

ひとつめに、これまでビジネスで当然とされている、所謂金銭的報酬や賞罰制度である外的動機付けは、驚くほど狭い状況でしか機能せず、社員のやる気を失わせる要因になっていることが研究により示唆されました。

「もし~したら、XXがもらえる」という If-then式の金銭的報酬制度は、社員のやる気を失わせるのです。

そして反対に、社員のやる気を高める要因は、「自分にとって重要だからやる」「自分が好きだからやる」「自分が面白いと思うからやる」といった個人の内発的動機にあり、この内的な意欲はクリエイティブで高いパフォーマンスをもたらすことが明らかになりました。
     

ダニエル・ピンクのモチベーション3.0 外的動機付けと内的動機付け

     

人間が高い創造性やパフォーマンスを発揮する際には「内発的動機」が重要であることが研究によっても示されたのです。研究内容の詳細は、下部の参考書籍やTEDをご確認ください。
   

なお、この内発的動機を阻害するものとしても、また”お金”が登場してきます。

例えば、本来趣味として始めた裁縫があったとして、それは作ることそのものの喜びがあったり、創意工夫の楽しさがあったり、人にプレゼントして喜ばれる嬉しさがあったりして、誰に言われなくてもやり続け、工夫し続けていたものが

「買われる」ようになってくると、そこに損得勘定が入ってきて「お金をもらえないならやらない」とか「頑張ったのにその値段かよ」と不満に思って、楽しくなくなっていく、ということです。

お金といった外的要因が、内発的動機を阻害してしまうのです。
    

一人一人の人間が「こうしたい」「これを実現したい」という内発的動機から始まったものは、意欲が高く、試行錯誤が自然と行われ、そのプロセスに活気があり、途中で困難があってもくじけることなく「どうしたら乗り越えられるだろうか?」と前向きに取り組み続けていくことができます。

会社経営においても、この内発的動機をいかに引き出していくかは、非常に重要な課題になります。

    

参考

書籍

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
著:ダニエル・ピンク 、訳:大前 研一 2010年 ⇒ 書籍リンク

     

TED

ダニエル・ピンク  TEDGlobal 2009
やる気に関する驚きの科学