Vol.34 在宅勤務を強いられていますが、 どのようなことに注意するとよいでしょうか?

今回のご相談内容

新型コロナウイルスの影響により、当社も在宅勤務を強いられていますが、どのようなことに注意するとよいでしょうか?

        

石川からのご回答

在宅勤務中心になっても「業務上必要なこと」というのは、意外と進んでいくものかと思います。

出社しないとできない業務も含めて「これは、期限までにやっておかないといけない」というものについて、例えば、部署という単位の中で、しっかりと進められていくことが多いかと思います。意外と業務そのものは回っていきます。
   

在宅勤務やリモートワークの場面でおススメのツールについては、先日【番外編】で本田よりご紹介しておりますので、よろしければ、そちらもご参照ください。

    

健康維持のための工夫

在宅勤務やリモートワークにより、まず「通勤のための移動の時間」などは確実に減っているはずですから、運動不足になる社員は増えるでしょう。

どこまで会社としてフォローするかは企業によりますが、社員の健康維持のためにも「運動」の時間を確保するような工夫はあってもとよいかと思います。

例えば9時始業として、今までは9時より前が「通勤時間」だったはずですが、その「元通勤時間」を、全社員を対象とした「運動時間」にする、といった方法も考えられます。
   

出典:写真AC

   

8時半から9時の時間、オンラインでみんなで繋がり、一番簡単なものであれば、ラジオ体操を行う、という程度のものでも健康維持には役立つと思われます。

会社によっては、ヨガの先生を呼んだり、体操の先生を呼んだりしているところもあるようです。
   

「雑談」の時間を守る工夫

もう一つ、在宅勤務中心になると大きく減ることになるのが「雑談」です。「タバコ部屋で一緒になってちょっと話をする」とか、隣の席の人にちょっと声をかけて話をする、とかです。

こういった雑談は、直接目に見えて売上に貢献するものではありませんが、組織の人間関係を円滑にし、ひいては組織としての生産性を高めることに寄与していたりします。

オンラインでのコミュニケーションが中心となると、(特に今までオンラインでのコミュニケーションになれていない組織では)、この雑談が、組織の中から奪われていきます。

良くも悪くも「メールをする」「zoomでつなぐ」などは”必要なとき”にしか起こらないところがあります。

業務上必要な指示をする。
業務上必要な報告をする。

そういうコミュニケーションに限定されていきます。

そうすると、段々と、相手の「置かれている状況や心境」などについての情報が減っていくことになります。

それこそ、オフィスに集まっていれば、言語コミュニケーションがなくとも「あ、なんか集中力ない顔しているな」とか「あれ?ちょっと具合悪い?」なども、表情などから感じられる、といったこともありますが、オンラインでのコミュニケーションでは、ほとんどそれが起きません。

だから、在宅勤務中心になったときに、このあたりの要素をケアしないと、組織の「関係の質」はどんどんと低下していくことになりかねません。
   

参考:組織の成功循環モデル

    

しかも、今はコロナの影響で、ビジネスの先行きも見えず、不安心理が強くなる状況です。

そうするとメンタルのケアの必要性は増しているのに、メンタルのケアをすることは
難しくなっている・・・というような状況であるとも言えます。

”雑談”がオフィスの中で最も起こるタイミングの一つが「ランチ」です。ランチは、同僚同士で、なんとなく声を掛け合って一緒にいったりすることが多いかと思います。しかし、在宅勤務中であると、それも起こりません。

ですので「ランチ時間に、オンラインでつないで、雑談しながらしゃべる」ことなどを、会社として奨励することもアリだと思います。

普段のランチと同じで、強制することはしないでよいと思いますが、「一緒に食べたい人は、声を掛け合って、ランチ中つないでみるとかも試してみてね」ということを、選択肢として提示するわけです。

オフィス勤務の際にも「ランチは一人で食べるのが好き」だった社員もいるでしょうから、そういった個性も尊重されるとよいと思います。
   

それ以外の「雑談の場」の創出としては、「飲み会」も勿論あるかと思います。

このご時世ですから、飲み会も、リアルに居酒屋などでできるわけではありませんので、いわゆる「オンライン飲み会」をやることになります。

「いい感じ」の飲み会というのは、例えば10人の部署で飲み会を開いていても、会が始まれば、「自然と」3人とか4人くらいの小グループに分かれて話が始まる・・・というものが多いかと思います。

この「自然と小グループに分かれる」という状態を、オンラインでは再現することが難しいわけですが、工夫をすることで近づけられるところもあります。
   

まず一つは、zoomのブレークアウトの機能を使って、あえてランダムなグループ分けをするということです。

これはあらかじめ「ランダムなグループ分けになります!」ということを伝えておいて、ゲーム感覚を含めて、ランダムなグループ分けを楽しんでしまえ、というような感じでやるのが一つです。

普段築かれている関係の質にもよりますが、できそうな組織であれば「各自が、ブレークアウトの部屋を、自由に動けるようにしておく」ということもできます。

zoomの機能でいうと、”共同ホスト”に全員をしておくと、各自が自由に部屋を動き回れるイメージになります。

「ちょっとトイレ行ってくるので画面オフにします。ミュートにします」みたいなことも、遠慮なくできる、そして、黙ってすっと「隣の部屋に移動する」ということもできる。出ていかれた方も気にしない、というような土台の関係性を築けていれば、かなり「リアルな飲み会の人の動き」に近いものができるなと思います。
   

出典:写真AC

    

・・・そして実はこれは、実際にはリアルな飲み会でも起こっていることです。

「ここで話すの嫌だけど、抜けたら感じ悪いから、抜けられないな・・・作り笑顔を続けよう。。。」というようなことが、リアル飲み会で起こっている場合には、オンライン飲み会ではよりその苦痛が増幅される・・・というようなところがあります。

逆に言うと、普段から、一人一人が自然にふるまえるような関係性を築いていれば、オンライン飲み会になったとしても、かなり機能することになります。

「自由に移動できるようにするより、ランダムなグループ分けを使ったほうが、全体として楽しめそうだな」という場合は、まずはそのような方法でオンライン飲み会を職場でやることも良いと思います。
   

チェックイン・チェックアウトを活用する

雑談、ではありませんが、「業務上の必要連絡だけでなく、一人一人の今の状況や心境を共有する」という意味では、このチェックイン・チェックアウトを活用するということは、一つ有効な方法だろうと思います。
  

チェックインは

  • 順番を決めずに
  • 今の率直な気持ち(感じていること、感情など)やその背景を話す
  • 短くても長くてもOK
  • 聞く側は、ただ受け止めて聞く

といった、シンプルなコミュニケーション方法です。

「業務に関係ないことでも、なんでも話していい」という時間にしておくと、例えば、「昨日、好きな歌手の生配信があって、めちゃくちゃ楽しかったです」とか「正直、ずっと一人暮らしで、ずっと家に一人でこもっていて、寂しい感じがあります」とか、そういった話が出てきたりします。

このような、感情面や、プライベート面なども含めて「やりとり」ができることで、それだけでストレスや不安心理が減る、ということがあります。
  

始業時に部署単位で、朝礼を行って、そこでチェックインをする。終業時に、夕礼を行って、そこでチェックアウトをする。

それを毎日だったり、週に1回やるようにするだけでも、「見えない効果」があるだろうと思います。
   

いつも最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

[Vol.34 2020/04/28配信号、執筆:石川英明]

   

    

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