組織開発 用語辞典:心の状態の影響力 ポジティブ心理学
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ポジティブ心理学
(Positive psychology)とは
ポジティブ心理学は、主にセリグマンらの研究者によって確立された分野です。これは、従来の心理学が主に、ヒステリー、パニックなどのネガティブな心理状態に対する研究をしていたのに対して「普通の人が、よりWell-Beingに生きるのに貢献する研究を」という考えから生まれてきた領域です。
身体生理学や脳科学の研究成果との相乗効果も相まって「心がポジティブである」ということの意味や価値が、科学的に随分と解明されてきました。
この理論の活用ポイントとしては、社員の心理状態をポジティブに置くことを、組織マネジメントの目標の一つとすることです。
今では当たり前ですが、古くは「労働者の身体的な環境」を改善することも、経営努力の一つでした。暑すぎる職場にクーラーを入れる、といったことです。同じように「メンバーの心理的な状況」を改善するように努めていきます。
心理的なポジティブな状態とは、安心、リラックス、集中、といったことをイメージしていただくとよいでしょう。
不安、緊張、プレッシャー
↓
集中、安心、リラックス
↓
退屈、弛緩、油断、無気力
この「ちょうどよい心理状態」に組織があるようにするのです。ただただ弛緩して、無気力状態にするわけではありません。
まずは「うちの会社は、あの部署は、あの社員は、今、不安だろうか?集中だろうか?退屈だろうか?どのゾーンにいるだろうか?」ということにアンテナを張ることから始めるとよいでしょう。
そして、退屈状態の組織があれば「刺激を与えて、緊張度を高める」方向の手を打っていきます。目標数字を引き上げるとか、担当人数を適切に減らして負荷を高める、などをしていきます。
不安状態の組織があれば「負荷を下げて、安心感を高める」方向の手を打っていきます。(その方が、創造性や生産性が高まるからです)増員して一人当たりの負荷を減らすとか、実現ステップを明示して「いける」という感覚を高める支援をする、などをしていきます。
参考
書籍
ポジティブ心理学―21世紀の心理学の可能性
編集:島井 哲志 2006年 ナカニシヤ出版
TED
マーティン・セリグマンのポジティブ心理学
Martin Seligman TED2004